【「読み解く力」向上研究会】高野小にて授業公開

 去る1月22日(月)、高野小学校にて、令和5年度第3回「読み解く力」向上研究会が開催されました。

 7月6日(木)の第1回研究会で、雄山中学校にて公開された「中学1年数学」「中学3年社会」、10月18日(水)の第2回研究会で、立山中央小学校にて公開された「小学5年国語」に続き、今回は「小学4年算数」の授業が提案されました。

 また、「基礎的読解力」育成の視点から高野小学校で試行錯誤しながら取り組んでいる「自学ノート」についても、実践状況を参観させていただきました。

 

【「自学ノート」の取り組む6年生の様子から】

 6月に実施したリーディングスキルテストの結果をもとに、自身が得意とするスキル、苦手とするスキルを自覚し、家庭での自主学習に生かします。自分に合った学習内容の決定と実践にはまだ課題はありますが、「まずは動き出すことから」と、児童と教員が一緒になって歩みを進めています。

 参観した教員からは「リーディングスキルテスト結果のコメントをきちんと踏まえて、子供たちが教師の助言を受けながら、学習計画を立てて進めている様子が大変参考になった」「今、どんな取り組みをしているの?と尋ねると、どの子も分かりやすく答えてくれた。自分の取り組みに自信をもっているのが伝わった」「子供自身が自分に何が足りないかを分析し、自主学習につなげている」「子供が黙々と取り組んできたことを認めてもらう場の設定にも意義を感じた」といった声が寄せられています。

 高野小学校・岩田教務主任からの研究経過報告を受け、参加した町内小中学校教員の多数が、取り組み内容だけでなく、その実践する姿に学びを得ることができました。

 

【4年生算数の授業公開から】

 4年生担任の鈴木教諭から、授業「身近な場所の広さを比べよう」が提案されました。

 L字型スペースである図書室の面積をどうやって求めるか・・・すでに学んだ正方形や長方形の面積の求め方を生かしてどう学習課題を解決するか・・・子供たちは意欲的に思考し、生き生きと発表していました。

 課題解決に困っている子供を中心に話合いが進むよう、必要に応じて自分の考えを広げたり、修正したりする時間を十分に確保して授業を展開した鈴木教諭の工夫が功を奏したように思います。

 講師にお迎えした新井紀子先生からも、「全員が授業に参加し正しい答えに自力で辿りついた上、他の子の解法にも関心を示し、努力しようとする姿がうかがえた。説明する言葉もかなり学習言語らしくなっていた。普段から、視写や音読、図形の認識(例:地図当てクイズなど)、見開き2ページでの言葉探し、計算ドリルなどを通じた耕しができていたからではないか」というコメントをいただきました。

 日頃の学びの一端が「授業公開での姿」に表れていたということでしょう。

 

【協議会及び講話から】

 授業後には「RS(リーディングスキル)を視点とした授業改善はどうあればよいか」という協議題のもと、参観教員によるグループ討議を中心に協議会を行いました。提案された授業からの学びだけでなく「自分が授業者ならば」という視点での意見も多く出されました。

 立山町「読み解く力」向上推進事業に令和4年度から携わり、ご指導くださっている「一般社団法人教育のための科学研究所」代表理事・所長である新井紀子先生からは、提案授業・協議会へのご講評と併せて「RSノートとRSを意識した授業 ~受検結果を個別最適な学びにつなげる~」と題したご講演を賜りました。

 向上研究会の機会を与えてくださった高野小学校児童のみなさん、そして、教職員のみなさまに、深く感謝申し上げます。

 実践してみてこそ、明らかになる成果と課題があるかと思いますので、後日、振り返りとして共有させていただき、立山町小中学校全体の取り組みに生かしたいと思います。ありがとうございました。